売買に関する法律

売買は、経済の根幹を支える契約形式です。

皆さんご存知の通り、代金とモノの交換が売買です。

しかし、現実には消費者保護や購入者保護を目的とする「消費者契約法」「特定商取引法」などが存在します。

事業者同士の売買においては「商法」の規定もあります。

これらの法律はどういう関係なのでしょうか。

特別法としての優先

民法から見た商法や消費者契約法、特定商取引法は「特別法」になります。

その逆で民法は「一般法」になります。

特別法の要件に該当した場合は特別法の規定が優先され、一般法どおりの原則論では通じなくなります。

民法における売買

民法における売買では、対等な者同士の契約として一方の保護を重視した規定にはなっていません。

購入者が一方的に保護される訳ではないため、騙されたり勘違いした場合には民法の「錯誤(民法95条)」や「詐欺(民法96条)」による取消しのほか、契約上の請求権(民法562条など)等を行使して救済されることになります。

こういった規定では立証を含めた要件を満たす難しさや合意による変更が可能という点などから、他の法律による保護が存在します。

他の法律の規定が無い、純粋な個人売買では民法の規定通り対等な契約関係と考えていいでしょう。

商法における売買

一方、商法における売買は、購入者保護という趣旨ではなく商慣習やスピード重視な規定が目立ちます。

現実の継続的取引先には取引におけるルールを当事者でしっかり決めておられるケースが多いですね。

商売人の自己防衛の意識が高さがうかがえます。

消費者契約法における売買

消費者を保護する法律です。

「事業者」と「消費者」で交わされる契約において、消費者からの契約取消しを広く認める法律です。

消費者からすれば自分を保護してくれるありがたい法律ですが、事業者にとって見れば契約の締結が安定しない事になるので、そこを踏まえた契約プロセスのケアが必要になります。

取消権行使の期間は、追認(認めること)をすることができる時から1年で時効となります。

契約の締結の時から5年を経過したときも同様です(消費者契約法7条1項)。

特定商取引法における売買

正式な名称は「特定商取引に関する法律」です。

トラブルを生じやすい取引類型を対象に、購入者の利益の保護を図る法律です。

例として、訪問販売、通信販売、電話勧誘販売などがあります。

いわゆる「クーリングオフ」での解約は、この法律によるものを言います。

消費者契約法と異なり、8日や20日など短期の期間でしか行使できない代わりに行使の要件が緩いのが特徴です。

その他

上記の法律のほか、宅地建物取引業法や割賦販売法など、様々な法律で売買に規制がかかります。

事業主の方は、各々の事業に合わせた法律上のプロセスをしっかり把握して取引の安定を図る必要がありますね。

前の記事

行政書士試験の独学③